ゆる農ライフ

with農をテーマに生きる日々。雑記。

【直売所専業農家】ハウス作付け最適化の決定版

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どうもこんにちは、都です。

何も知らずに3年前いきなり農業を始めた私ですが、今では20aほどの施設と少しの露地畑で少量多品目農家として直売所に出荷して生計を立てています。

 

 なぜ少量多品目なのかはこちらをご覧下さい▼

noutoikiru.hatenablog.com

 

今回は私が立てた作付計画となぜそうなったのかについて書きたいと思います。

 

直売所専業で生計を立てるコツ

 

出荷先は主に直売所なので売れ残りは一切お金になりません。

なので出せば買い取ってもらえる市場出荷より売る事に関してシビアにやっていかなくてはなりません。

 

直売所で売るには、重要な点が2つあります。

1つは、需要の高い野菜を作ること。

少量多品目栽培といえば珍しい野菜をメインに取り扱っていると考えがちですが、レストランや青空マルシェと違い直売所で多く売れるのは一般家庭でも扱いやすい野菜です。

2つ目は、他の出荷者と出荷する時期をズラす事。

最近では、直売所というものが全国的に認知されたため、出荷者も多く値段の下げ合いになりがちです。

これに巻き込まれないためには、他の出荷者が出さない時期に狙って栽培する必要があります。

 

需要の高い野菜を出荷時期をズラして栽培出来れば直売所専業でも売れ残りを出す事無く、加え出荷者の少ない時期にだすことで単価も高くすることが出来るということです。

しかし出荷者が少ない時期をどう見極めるのか?というと。。。

 

市場の市況を読み解く

前述した、他の出荷者と出荷時期がかぶらない様に栽培するには、市況をチェックしておく必要があります。

市場の市況は新聞やネットで見ることが出来ますが、私は東京の太田市場のサイトからチェックすることをオススメします。

太田市場のサイトでは、市況を1年分、品目別にまとめて見ることが出来ます。加えて数年分も見ることが出来るので、毎年の値段の違いも把握しておくことができます。

 

市況を見ていくとある程度の規則性が見つかります。

この野菜は何月で値上がりして何月で下がる。

これが分かれば後はこの値上がりする時期に収穫期をもってくるように作付け計画をたてるだけです。

 

市況って直売所でも関係あるの?と思う方がいるかもしれませんが、市況の値段の推移と直売所の推移は同じです。むしろ直売所の方が卸値でない分高いです。

 

 ハウスの有効利用

 他の出荷者がいなく、値段の高い時期に出荷するには、ビニールトンネルやハウスを有効利用する必要があります。

今回はハウス作付け最適化についての記事なので、パイプハウス一棟分の最も有効な作付け計画を考えたいと思います。

 

計4作になるので大きく春夏秋冬に分けました。

 

 

春作

3月~5月はブロッコリーを作ります。

苗作りは1月から始まって3月にハウスに定植し、5月上旬から収穫が始まります。

 

この時期のブロッコリーの栽培方法はこちら▼

noutoikiru.hatenablog.com

 この時期にブロッコリーを選んだ理由は、きゅうりやトマトのような栽培の手間が少ないからです。

保温は不織布だけなので毎年使いまわすことが可能で、尚且つトンネルビニールのように毎日の換気の必要がありません。

 

単価は190円~150円と高くても需要が高いので1店舗で1日30個売ることも夢ではありません。

5月下旬になると露地のブロッコリーが出てきて安くなるので、早めに売り切りましょう。

 

 

 夏作

6月~8月は、ほうれん草などの葉物を栽培します。

播種から45日程度で収穫することが出来ます。秋作の都合では2作葉物を作ってもいいかもしれません。

例年6月から徐々に値段が上がり始め、8月がピークになります。

 

アブラナ科の連作が気になる場合は春菊がおすすめです。

 

夏の葉物栽培はこちら▼

noutoikiru.hatenablog.com

 

 

秋作

8月~10月はキュウリやトマトなどの実物野菜の栽培をします。

苗作りに種まきは7月8月には始めましょう。

春に栽培するよりも育苗管理が楽であり、植え付けてからの手間も春に栽培するよりかかりません。

トマトは10月が一番値段の高くなる野菜なので、収穫のピークを10月に持っていくように管理しましょう。

 

トマトの栽培は短期間なら低段密植栽培がオススメです▼

noutoikiru.hatenablog.com

 

 

冬作

10月~2月

この時期は葉物の栽培をします。

本来なら値段の上がる12月出荷に向けて栽培したいところですが、秋の実物栽培が長引くとどうしても年越しからの出荷になってしまいます。

それでもなるべく2月が終わるまでには収穫を終われるように、実物栽培が終わるまでには苗を仕立てておくなどすると出荷を早める事が出来ます。

ほうれん草や小松菜なら不織布で保温して栽培する事ができます。

春菊ならトンネルと不織布が必要になりますが、適宜摘み取って収穫出来るので毎月コンスタントに働きたいならこちらがオススメです。

 

まとめ

今のところベストな作付計画はこんな感じです。

ただ全てのハウスで同じ作付をしてしまうと作業量に圧倒されてしまうので、これをベースにしつつ、ブロッコリーをトウモロコシに変えてみたり、秋の実物野菜を春菊に変えて春まで栽培してみたりしています。

 

 

 農業を始めたての頃は、春にキュウリの種を播いて寒くなるまで栽培するのが常識だと思っていましたが、旬の需要より供給が上回ってしまう時期に素人が売るのは容易なことではなく、上のような作付けに変わっていきました。

もっと効率のいい作付けがあればぜひ教えてください。