【プロ直伝】春菊を夏に栽培する方法
どうもこんにちは、都です。
皆さん普段、春菊を口にすることってありますか?
冬に鍋にして食べるよーって方が多いかもしれませんが、夏はあんまり…っていう方も多いと思います。
結構アクの強い香草なので苦手な方も多いかもしれません。
正直私もあまり好きではありません。
が、農家的には儲かる野菜の1つかもしれないのが春菊です。
冬の値上がりはもちろんのこと、夏は1kg1300円にもなります。
これは葉物野菜が値下がりしてしまう3月の価格の3倍の値段です。
そう、プロならば、この時期を逃すわけにはいきません。
もちろん夏は春菊高くて買えないなぁという方もご家庭で栽培することができますよ。
▼ほうれん草の夏栽培はこちら
春菊栽培の基本
春菊の栽培は比較的簡単で、適期ならば土に種を播いて水をあげていれば問題なく栽培できます。
土壌条件
適切なPHは5.5~6前後と言われていますが、多少高くなっても問題はありません。
発芽適温
発芽適温は15~25℃で、最低10℃、最高35℃までなら発芽すると言われています。
生育適温も発芽適温と変わりません。春や秋のやや涼しい時期の栽培に適しています。
光条件
好光性種子なので覆土は薄めにします。
収穫
収穫は適期で45日程度。
夏期で40日ほどになります。
収穫には2通りの方法があります。
摘み取り収穫
一般的に行われている収穫方法が摘み取り収穫です。
草丈が25㎝以上になった頃、地際を2~3㎝残して収穫し、脇芽が伸びれば適宜収穫します。
堀り取り収穫
抜き取り収穫とも言います。
成長が早くとう立ちしてしまう夏場のみ行う収穫方法で、根ごと掘り取って収穫し、出荷調整で根を落とします。
摘み取り収穫と異なり1度しか収穫することは出来ません。
春菊を夏に栽培する方法
春菊の夏栽培はほうれん草を夏に栽培するより簡単だと言われています。
ほうれん草と同じく品種選びと病気対策が要になります。
- 品種を選ぶ
- 播種方法
- 栽培管理
- 病害対策
品種を選ぶ
さとゆたか
最も人気の高い中葉タイプの春菊で、夏場に激発するべト病に非常に強く安心して栽培することが出来ます。
私はこの品種を今年まく予定です。
きわめ中葉
農研機構が出している夏播き春菊の生産安定技術より推奨されている品種です。
夏場の石灰欠乏による芯ぐされが発生しにくいようです。
また、シーダーテープでも販売されているので、種まき専用機械が無い場合は便利だと思います。
播種方法
発芽揃いを良くするため、種を1日浸水させます。
圃場も充分灌水し、乾かないうちに条間20cmでスジまきします。
好光性種子のため覆土は薄くし、乾燥対策に寒冷紗べたがけや藁などで遮光するのが望ましいです。
栽培管理
間引き
本葉2~3枚の頃、株間は広めの6~10cm程度にします。
遮光資材を選ぶ
遮光することで温度を低く保つと共に、芯ぐされの発生も抑えることが出来ます。
しかし、遮光による生育の遅れや収量の低下もある為、遮光ネットは遮光率の低い白色のものが適しています。
ちなみ夏の春菊栽培は雨よけハウスであることが前提ですので、無い場合、家庭菜園の場合はモヒカンネットを使って栽培しましょう。
病害対策
春菊は使用できる農薬が限られているため、栽培前にある程度揃えてから栽培しましょう。
殺菌剤
べト病
夏の春菊栽培はべト病になりやすい環境の為、病気になる前から予防散布しておきましょう。
Zボルドーは、栽培期間中何度でも使用することが出来、使用する時期も選びません。
炭疸病
炭疸病に効果のある殺菌剤にストロビーフロアブルがありますが、収穫14日前までしか使用できません。 少し値段が張りますが、収穫3日前まで使用できるアミスター20フロアブルがおすすめです。
殺虫剤
春菊によくつく虫にアブラムシとヨトウムシがいます。
これらは必ず出る害虫ですので対策しておきましょう。
アブラムシ
葉物の農薬は収穫間近でも使えるものを1つは用意しておきましょう。
アブラムシはベストガードやアルバリン、ダントツが収穫間近でも使えるので便利です。
ヨトウムシ
春菊でヨトウムシに使用できる農薬はコテツフロアブルとカスケードの2つしか知りません。
オススメはハモグリバエやアザミウマにも効果のあるカスケードです。トマトやスイカにも使えるのであったほうが何かと便利な農薬です。
ネキリムシ対策には土壌混和するタイプの農薬を播種時に使いましょう。