【直売農家流】1本ネギの栽培法【秋冬ネギ】
こんにちは、農家の都です。
皆さんネギ栽培についてどのくらいご存知でしょうか。
新規就農や直売農家を目指している方には重要なことですが、ネギには秋冬ネギ、夏ネギ、春ネギがあります。
もちろん、ネギの旬は秋冬であり栽培容易で生産量も多く、値段は他のシーズンに比べると安いです。
比べて夏ネギは、苗の状態での超冬、葱坊主出現、梅雨時期の病気などさまざまな問題があり、栽培難易度は高くなります。
春ネギに関しては、ハウスがなければ栽培出来ません。特殊な栽培方法で栽培されることが多く、単価は他に比べ高くなりますが設備投資資金も必要になります。
農業ではどの時期に栽培するか、が重要になります。
特に直売農家では、売れる店舗数が限られる場合が多く、他の出荷者とかぶらない品目を求められます。
難しい栽培時期にトライすることで、売り易い状況を作ることが可能です。
とは言え、今回は基本の秋冬ネギ栽培について書きたいと思います。
直売農家流、ネギ栽培の方法
直売農家流ということで、プロのネギ農家さんのような専用器具の使用はほとんどない、家庭菜園よりの栽培方法になります。
栽培工程
1.種まき
秋冬ネギの種まきは前年10月か、収穫する年の4月です。
収穫する時期は変わらないのでどちらでもいいと思いますが、管理のし易さから私は4月にまいています。
200のセルトレイに5粒づつ種をまきます。
培土は野菜全般に使えるセルトレイ培土(肥料効果約1ヶ月)を使用しています。
▼チェーンポット
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プロのネギ農家さんはチェーンポットを使用して、1穴に1粒づつまきます。
育苗期間は2ヶ月と長めなので専用の培土を使用します。
2.仮植え
15cm間隔で穴のあいた黒マルチを使用して植えつけます。
▲写真はマルチを剥がした後。
ネギは雑草に弱い作物といわれていますが、これは雑草の生育にネギが負けてしまうからです。なるべくマルチは穴の小さいもの、もしくは穴のないマルチに自分で穴をあけて使用して雑草を抑制しましょう。
▼ひっぱりくん
ひっぱりくん HP-16 チェーンポット簡易移植器 (溝切深さ73mm) HP-6とHP-10の後継機 園芸用品 農機具 農具 瀧商店]【smtb-ms】
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プロのネギ農家さんは仮植えをせず、簡易移植機を使って本植えします。
ネギ用チェーンポットが植え付け幅を調節してくれます。
3.本植え
本植えは7月の梅雨明け後にに行います。
仮植えしたネギを抜いて、枯れ葉をとり、大きさを揃えておきます。
土寄せ機で作った15cmほどの深さの溝にネギを5~8cm間隔に並べ、根っこに土をかけます。
4.土寄せ・追肥
土寄せは、ネギ用の土寄せ機を使います。
追肥してから土寄せを行います。
合計4回土寄せを行います。
1回目
本植えしたネギの根っこが活着したら浅めに土寄せを行います。
2回目
1回目の1ヵ月後に行います。
成長点が埋まってしまわない程度に土寄せします。
3回目
2回目の1ヵ月後に行います。
4回目、最終土寄せ
最後の土寄せは収穫の30日前には行っておきます。
これは緑だった部分が土寄せしたことで白くなるまでにかかる期間です。
▼ネギ株元土寄せ機
管理機購入を迷っている方は、ネギ用を購入するべきだと思います。
ネギ用と言っても他の作物にも使えますし、他の管理機に比べてバランスが良いので女性でも使いやすいのでオススメです。ネギ株元土寄せ|YK650RK/750RK|ミニ耕うん機・管理機 - 管理機|製品・サービス|農業|ヤンマー
5.収穫
9月~12月の間に収穫します。
大霜や雪で溶けてしまうのでそれ以前に収穫してしまいましょう。
寒い地域では、収穫したものを倉庫などで立てて保管することで冬中出荷することが出来ます。
▼ネギの収穫から出荷まで
病害虫防除
主なネギの病気と良く出る害虫の防除農薬です。
病気
赤サビ病
梅雨の時期に必ず出ます。
発生初期は、発生した箇所をちぎって畑外に持ち出すと病気が広がらず収まることもあります。
農薬は シンジェンタジャパン アミスター20 250mlか日本曹達 殺菌剤 ストロビーフロアブル 100mlがオススメです。
発生初期ならストロビーフロアアブルが有効ですが、蔓延後はアミスターの方が効果があります。
べト病
対応農薬は多めです。
おすすめは疫病にも効果のあるアリエッティ水和剤と、対応品目の多いダコニールは手元にあると便利です。
害虫
アブラムシ
スミチオンとマラソンが効果があります。
どちらも有機りん系なので片方持っていれば充分だと思います。
芋虫類
芋虫類にはカスケードが幅広い害虫に効果があるのでオススメです。遅効性なので即効性のアディオン乳剤などを1つ持っておくと便利です。