シャインマスカットの糖度アップ術
こんにちは、農家の都です。
私の農園では今年から多品目野菜に加えて、ブドウ栽培を取り入れました。
植えつけた品種は何種類かありますが、やはり今一番人気のブドウ、シャインマスカットは外せません。
ブドウ栽培を始めるにあたって、実際にブドウを栽培しているブドウ農家さんのところに見学に行かせてもらいましたので、その経験と資料を元に自宅で出来るシャインマスカットの糖度アップ法を書いていきたいと思います。
▼シャインマスカット栽培方法はこちら
シャインマスカットの糖度アップ術
シャインマスカットの糖度は平均16~20℃前後と言われています。
今から書く方法で栽培すれば最低でも糖度18℃は超えるはずです。
シャインマスカットの糖度をあげるには2つ方法があります。
- 窒素施肥量を抑える
- 樹上完熟させる
窒素施肥量を抑える
シャインマスカットは窒素を減らすと糖度が上がります。
なぜ窒素を減らすと糖度が上がるのかまでは分かりませんが、野菜の場合窒素が多いと食べたときエグミを感じ易くなります。
窒素が少しずつ放出される有機栽培で野菜が美味しく感じるのはこの為です。
しかし減らしすぎると今度は樹が生長しませんので、休眠期の間に有機発酵堆肥を施しておきます。堆肥は牛糞堆肥やバーク堆肥や腐葉土でかまいません。
芽が出てから果実軟化までの窒素量が糖度をあげるための1番のポイントになります。
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窒素量の決め方
窒素量を決めるためには、収穫する年のブドウの着果数を知っておかなくてはなりません。
ブドウ農家では次の年にどのくらい成らせるかによって剪定するので、剪定の段階で着果数が分かります。
しかし、家庭で栽培する場合、どのくらいブドウが成るのか見極めるのが難しいかもしれません。
目安は主枝から出ている側枝の数です。結果枝といって実の成る枝の数を数えましょう。
1果房当たり窒素2gを施肥
着果予定数×2gN(窒素)で施肥量を計算します。
施肥の方法
計算した窒素量を一度に施してはいけません。
芽が出てから果実軟化期にかけて少しずつ施します。
果実軟化までの期間は大体3~4ヶ月程度になります。
例えば着果数10房なら、窒素量は20gNとなり、果実軟化までの1日当たりの窒素施肥量は90日(3ヶ月)で割ると0.22...gNとなる計算です。
細かく施肥することになるので使う肥料は液肥がオススメです。
毎朝1日分の窒素量を施すのがベストですが、1週間分まとめて施すことも出来るでしょう。
ちなみにNPKが4-4-4の場合、100mlにNPKが4mlずつ含まれているということなので、0.22...gの窒素成分を施肥する場合6.25mlの液肥をあげればよいということになります。(※計算があっているか不安です)
▼バランスの良い液肥がオススメです
1-1-1を使用するのが理想ですが、販売されていないので私はこの液肥を使用しています。
サトウキビが使用されているのでそのままダイレクトにより甘くなる可能性があります。
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樹上完熟させる
葡萄はパイナップルやメロンなどの収穫してから甘くなるものではありません。
樹に長く成らせておくことで甘くなります。
完熟の見極めは難しいですが、色がついてから1ヵ月はそのままにしておきましょう。
そして、実の付け根が茶色くなって離層が形成された頃が収穫適期になります。
完熟したブドウは軸から落ち易くなるので注意しましょう。
見極めが難しい時は販売されているブドウをよく観察するといいと思います。
ブドウは収穫してしまうとあまり日持ちがしないので早めに食べましょう。
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まとめ
ここまで書いてきましたが地植え栽培の多いブドウで細かく肥料計算をして栽培している農家はまれだと思います。
根域制限という新しい栽培方法でしか行われていないのが実際のところです。
この栽培方法は肥料や水分コントロールができるので、鉢で育てる場合が多い家庭菜園で行いやすいです。
地植えでも美味しいブドウは出来ますし、液肥でなくても美味しいブドウは出来ます。これは全国のブドウ農家さんが証明してます。
ですが、これには長年の経験と知恵が必要不可欠です。
家で栽培しているブドウが美味しく出来ない場合などは是非参考に甘いシャインマスカットを作ってみてくださいね。