【土壌改良】酵母菌の働き・培養方法・使い方
こんにちは、農家の都です。
今回はえひめaiの材料である、酵母菌のみを個別に培養していきたいと思います。
えひめai自体の説明はここでは省きますが、菌の個人培養は不確定要素が多すぎて効果が実感できず、気づいたらやらなくなっていた、なんてことが私含め多いと思います。
えひめaiに関して言えば、含まれる3種の菌はそれぞれ好む環境が違うにもかかわらず、まとめて培養する方法が現代農業しかり当たり前の状態になっているのも1つの原因かと思います。
まずは1種類の菌を効率的かつ最大限に使える状態にするべく酵母菌の効果、培養方法について書いていきたいと思います。
目次
酵母菌とは?
酵母菌の特徴
酵母菌の働き
酵母菌の培養方法
酵母菌の使い方
まとめ
酵母菌とは?
酵母菌とは主にパン作りに使われる菌で、草木や果実の表面などの自然界に多く生息しています。
糸状菌(カビ)の仲間ですが、カビ特有の長い菌糸はつくらず、カビの胞子が独立したような丸い形で、カビと細菌の中間的な性質を持ちます。
酵母菌の特徴
通性嫌気性、絶対嫌気性菌など種類が多く、空気があってもなくても増えます。
空気のない水中では、糖を二酸化炭素とアルコールに分解し、空気のある場所では各種アミノ酸を合成します。
酵母菌の働き
- 炭酸ガス排出による土壌の団粒化
- 菌の死骸が植物の栄養になる(アミノ酸・ミネラル・核酸・植物ホルモン・ビタミン)
- 植物ホルモンであるオーキシンが花や実を大きくする
- 有機物の腐敗を防止
- 土壌中の硝酸を減らすことが出来る
- アミノ酸肥料を他の微生物から守る
酵母菌の培養方法
酵母菌は採取した草木や、果実に水と糖を加えることで培養することが出来ますが、簡単なのはイースト使用した培養方法です。
サフ インスタントドライイースト金 125g <乾燥酵母>パン用酵母_ | ||||
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◇材料【2ℓペットボトル分】
- ドライイースト20g
- 砂糖60g(水の重さの3~5%)
- 水約2ℓ
※ミネラルを添加したい場合は白糖ではなくてんさい糖(サトウキビ糖)を使います。
培養方法
イーストと砂糖をペットボトルに入れ、水をペットボトルの8分目まで注ぎ、キャップを緩めた状態にしておきます。
25℃~35℃前後に保温(常温)し、18時間程度で完成です。
なるべく24時間以内に使い切りましょう。
使い切れない場合は冷蔵庫で保管し、たまに砂糖を加えると長持ちします。
※酵母は45度以上で活動が弱まり、60度以上で死滅します。
※イーストが少なくても培養出来ますが、完成まで時間がかかります。
培養前pH6.23→18時間後pH3.83に下がりました。
酵母菌の使い方
種籾処理…イモチ病など有害な菌を寄せ付けない
300倍で24時間浸水。
参考;酵母菌_現代農業用語集
土壌の団粒化
酵母がブドウ糖を分解することで発生する二酸化炭素を利用して団粒化させます。
そのため、畑を水中に似た環境にした上で畑内でブドウ糖を分解させないと意味が無いように思われます。
ブドウ糖の必要量
1m×1mの範囲の畑(畝)を10cm上昇させるには、約400gのブドウ糖が必要になります。
白砂糖には重さの半分の量のブドウ糖しか含まれていないので、白砂糖を利用する場合は倍の量の砂糖が必要になると思います。
5リットル程度の水にブドウ糖(砂糖)とドライイースト130g程度を混ぜて1日置きます。
畑(畝)を充分に湿らせたら、作った酵母水を散布しマルチをかけて3日置けば団粒化しているはずです。
※ブドウ糖の質量が1mol180gであること、1molあたりの気体の体積が22.4リットルであることを元に算出しています。計算が間違っていたら申し訳ないです。
ブドウ糖 業務用 20Kg(フジクリスター) | ||||
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まとめ
使い方としては団粒化が目的の場合は、植え付け前に散布すること。
栄養となる各種アミノ酸や植物ホルモンの利用が目的なら希釈して定期散布が有用だと思います。