【病害虫対策】きゅうりの苗立枯病を食い止めよう!
こんにちは、農家の都です。
突然ですが連作障害という言葉、皆さんご存知でしょうか?
知らない人はいないと思いますが、同じ場所で続けて同じものを栽培すると病気にかかりやすくなるというのを連作障害といいます。
これは、その野菜をこのむ菌がけが根に集まり増えてしまうこと、そして1度かかった病原菌が畑の土に残ってしまうのが原因とされています。
この対策として接木や土壌消毒、太陽熱養生処理が有効とされています。
ですが、太陽熱養生処理は夏場に畑が使えなくなってしまうデメリットがあり、接木をすると野菜本来の味が落ちることもあります。
実際接木なしできゅうりを連作してみたのでみてみましょう。
トップの画像は今年の7月に植えつけたきゅうりの苗です。
アップで見てみると地際が褐色になっているのが分かります。
これを苗立枯病といいます。
苗立枯病といえば、苗の状態でおこるとされていますが、今回植えつけてから大発生してしまいました。
栽培1年目では見られなかった症状なので連作障害と見てもいいかもしれません。
ちなみにこの別の場所での連作2年目きゅうりでは、植えつけてすぐにツル割れ病にかかっています。
苗立枯病の症状
苗立枯病を引き起こすのは2つの菌が関与しています。
ピシウム菌
地際部の茎と根が軟化、腐敗して倒伏する。高温多湿条件下で発生しやすい。
リゾクトニア菌
地際部の茎が褐変してくびれ、倒伏する。乾燥条件下で発生しやすい。
野菜全般の立ち枯れ病でこの2つの菌が作用しています。
どちらの菌で発生しているかによって使用農薬を変える必要がある場合があります。
苗立枯病の防ぎ方
予防措置
育苗中の発生は、セルトレイやポットの消毒、消毒済み種子の利用、新しい用土の使用で防ぐことが出来ます。
用土を再利用する場合は、クロルピクリンなどのくん蒸剤の使用、太陽熱養生処理などの土壌消毒が有効です。
また種子に農薬を粉衣するのも有効な手段です。
病気にかかってしまったら
病気の発生がみられたら農薬以外で病気を抑える方法はありません。
ピシウム菌・リゾクトニア菌の両方に効果のある、住友化学園芸 オーソサイド水和剤 50gがおすすめです。
種子粉衣にも使えます。
画像は発生初期に農薬散布したきゅうりです。
渇変してますが病気の進行は見られず枯れずに済みました。
まとめ
連作障害かの判断は難しいですが、病気にかかりやすくなってしまっている気がします。
特に苗立枯病やツル割れ病はほっておくと枯れてしまうので予防的な防除が必要です。
そろそろ接木の導入を考えます。